万が一に備えて入る生命保険。家族構成によっては年間の保険料も結構かかりますよね。
保険料の固定費を見直すことで、家計が楽になったり、他のことにお金が使えたり、貯蓄を増やせたりと、様々なメリットがあります。
保険料を見直すときに大切なポイントは、「社会保障でもらえるお金」と「保障内容の見直し」です。
「自分(家族)の保険料が高いのか低いのか分からない」という方は、「万が一の時に生活を維持するためにいくら必要で、社会保障と保険のどちらで備えておくか」という視点を持つといいでしょう。
また、世帯年収ごとの年間の保険料を参考に、同じ保障内容でより保険料が抑えられる保険会社がないか探すのもおすすめです。
本記事では、「世帯年収ごとの保険料」と「生命保険の見直し方」について解説します。
生命保険料は世帯年収の6.7%を超えると払い過ぎの可能性あり
生命保険文化センターの2021年度の調査によると、世帯年収に占める年間で支払う保険料の平均割合は6.7%でした。
家庭の保険料を支払いすぎてないか不安な方は参考にするとよいでしょう。
参考:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」P41
ただし、年収や家族構成によって必要な保障額(保険金・給付金)は違うため、いくら以上が高い・安いと明確にすることはできません。
特に配偶者や子どもがいる場合は、保障内容を充実させる必要があるため、生命保険料も高くなる傾向があります。
世帯年収1,000万円&子どものいる家庭の適切な生命保険料
家庭によって必要な生命保険は異なりますが、年収や家族構成が同じような家庭の生命保険料の平均と比べて、保険料の見直しが必要か検討してみましょう。
世帯年収1,000万円の生命保険料平均
世帯年収1,000万円の場合、生命保険料の平均は年間57,9万円(月間4.8万円)です。
生命保険文化センターの2021年度の調査によると、世帯年収別の年間支払い保険料は、次のとおりでした。
世帯年収が高くなるほど支払う保険料も高くなっていることがわかります。
世帯年収 | 年間払込保険料 |
---|---|
400万円未満 | 31.5万円 |
500万円未満 | 30.6万円 |
600万円未満 | 31.9万円 |
700万円未満 | 32.9万円 |
1,000万円未満 | 43.4万円 |
1,000万円以上 | 57.9万円 |
参考:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」P37
配偶者と子どもがいる家庭の生命保険料平均
生命保険文化センターの調査によると、配偶者や子どもがいる世帯の年間払込保険料は次のとおりです。
既婚・子どもあり | 年間払込保険料 |
---|---|
乳幼児 | 33.2万円 |
保育園・幼稚園児 | 40.2万円 |
小・中学生 | 36.9万円 |
高校・短大・大学生 | 36.3万円 |
就学終了 | 42.1万円 |
参考:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」P37
子どもの年齢によって生命保険料は異なり、子どもの成長とともに年間払込保険料も高くなる傾向があります。
そのため、ほかの世代と比較すると、50~60代の既婚・子どもあり世帯の年間払込保険料は43.6万円(月間3.6万円)と最も高額でした。
子どもの人数や年齢(教育費がこれからかかる未就学児など)によっても準備すべき保障額は異なります。
統計データを目安の一つにしつつ、自分の家計に合わせていくらなら無理なく支払っていけるのか、必要な保障額をシミュレーションしながら考えることも大切です。
生命保険料を払い過ぎているときの見直し方
生命保険料を安くするポイントは、次のとおりです。
・保険会社ごとに商品を比較する
・保障内容を見直す
・払済保険など別の保険に切り替える
一つひとつ詳しく解説します。
同じ保障額で保険料負担を軽くする
生命保険の保険料は、保険会社によって異なります。同様の保障内容で保険料がより抑えられる商品がないか、さまざまな保険会社で比較してみましょう。
最近は保険料をシミュレーションできるサイトも増えているため、気になる商品の中から自分にあう保険を探すのがおすすめです。
保障内容を見直す
保障内容の見直しは、保険料を安くする上で最も大切なポイントです。
例えば、単身者が高額の死亡保障に入っている場合は、本当にその保険金を家族に残す必要があるのかよく考えましょう。
子どもや配偶者がいない場合は、高額の保険料を支払って遺族に保険金を残すよりも、自身の入院・治療に対する保障が手厚い安価な保険に切り替えるのもおすすめです。
また、不要な特約がついている場合は外しましょう。
さらに、社会保障でもらえるお金について調べることも大切です。保険の基本的な考え方は次のとおりです。
万が一の時に必要なお金 ー 社会保障でカバーできるお金 = 保険で準備する必要保障額
万が一の時に必要なお金は、死亡または病気やケガで収入がなくなった時に生活を維持するために必要なお金のことです。
社会保障でカバーできるお金は、遺族年金、障害年金、高額療養費制度などの社会保障で生活資金をまかなえるものを指します。
あまりにも保険料が高い…と感じる場合は、保険の保障内容(万が一の時に必要なお金)が間違っていないか再度シミュレーションしてみましょう。
払済保険や延長(定期)保険に切り替える
保険料を見直す方法の一つとして、現在加入している保険を「払い済み保険」に変更できないか検討するのもよいでしょう。
払い済み保険とは、貯蓄型の生命保険で解約返戻金が貯まっている場合に利用でき、保険を変更する時点で貯まっている解約返戻金の範囲内で別の保険商品に切り替えることができます。
払い済み保険に変更すると保障内容は減りますが、変更以降の保険料を支払わずに済みます。
また、加入審査も必要ないため、健康状態に関わらず切り替えることができるメリットもあります。
終わりに|払い過ぎを防いで家計の負担を軽減しよう
生命保険料の見直しは、家計の負担軽減に繋がります。
家庭によって保険料の目安はさまざまですが、保障内容や商品の比較など節約の方法を模索しながら、自分(家族)にあった保険に入ることが大切です。
毎月無理なく支払える保険料で、自分(家族)が安心して暮らせるように、保険の正しい知識を身につけて、ゆとりある暮らしを叶えましょう。