「外資系生命保険会社は安心して契約できるのだろうか?」
「外資系生命保険会社のメリットとデメリットを知りたい」
このように考えている方もいるのではないでしょうか。
外資系生命保険会社は、海外企業が経営権を掌握している会社や、海外資本で経営されている会社を指します。
日本企業の生命保険会社と比べ、総じて保障内容がシンプルでわかりやすく、保険料が安いメリットがあります。
一方で、契約者自身に保険の知識が求められ、将来的に日本から撤退するリスクが伴う可能性がある点は押さえておきましょう。
この記事では、外資系生命保険会社の特徴やメリット、デメリットなどを解説します。
自分に合った保険に加入するためのポイントも解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
代表的な外資系生命保険会社の例
外資系生命保険会社とは、海外の保険会社が母体となっている保険会社です。
日本法人を設立して事業展開しており、日本国内には外資系生命保険会社が多くあります。
以下で、代表的な外資系生命保険会社の基本情報を紹介します。
プルデンシャル生命
会社名 | プルデンシャル生命保険株式会社 |
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本社 | 東京都千代田区永田町2-13-10プルデンシャルタワー |
保有契約高 | 43兆4,644億円(2022年度末) |
格付け | AA-(格付け情報投資センター) |
プルデンシャル生命は、アメリカのプルデンシャル・ファイナンシャルを親会社に持ちます。
なお、プルデンシャル・ファイナンシャルは世界最大級の金融サービス機関です。
プルデンシャル生命の保険は全てオーダーメイドで、顧客に合わせて最適な生命保険を提案している点が特徴です。
ジブラルタ生命
会社名 | ジブラルタ生命保険株式会社 |
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本社 | 東京都千代田区永田町2-13-10 |
保有契約高 | 36兆7,840億円(2023年12月末現在) |
格付け | AA(格付け情報投資センター) |
ジブラルタ生命も、プルデンシャル生命と同じくアメリカのプルデンシャル・ファイナンシャルを親会社に持ちます。
顧客に対して「ライフプラン・コンサルタント」が付き、最適な保険の提案からライフステージに合わせた適切なアドバイスを行っています。
チューリッヒ生命
会社名 | チューリッヒ生命保険株式会社 |
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本社 | 東京都中野区中野4丁目10番2号中野セントラルパークサウス 16階 |
保有契約高 | 9,910億円(2023年3月末現在) |
格付け | AA(S&P) |
チューリッヒ生命は、スイスのチューリッヒに本社を構えています。
日本を含めて200以上の国や地域で保険商品を提供するグローバル企業です。
グループ全体では150年以上の歴史を誇り、日本国内でも25年以上の運営実績があります。
アクサ生命
会社名 | アクサ生命保険株式会社 |
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本社 | 東京都港区白金一丁目17番3号 NBFプラチナタワー |
保有契約高 | 21兆7,265億円(2022年3月末現在) |
格付け(アクサグループ) | AA-(S&P) |
アクサ生命は、フランスの「アクサ・エス・アー」を親会社に持つ保険会社です。
アクサグループ全体でみると、欧州で200年以上にわたる運営実績があります。
日本国内でも80年以上の実績があるため、日本での知名度も高いといえるでしょう。
外資系生命保険会社の特徴
外資系生命保険会社は、海外企業が親会社となっていることから、日本企業とは組織構造が異なる点があるのは事実です。
以下で、誤解されがちな外資系生命保険会社の特徴を解説します。
契約者保護機構による保護を受けられる
外資系でも、契約者保護機構による保護を受けられるため安心です。
実際に、生命保険契約者保護機構の会員会社一覧を見ると、先ほど紹介した4社の名前があります。
生命保険契約者保護機構の主な役割は、保険契約者の保護です。生命保険会社が破綻しても契約者が保険を継続できるように、契約を引き継ぐ「救済保険会社」へ資金援助を行います。
「救済保険会社」が現れなかった場合には、保護機構の子会社として「承継保険会社」を設立して保険契約を引き継ぐか、保護機構自らが保険契約を引き継ぐケースもあります。
万が一生命保険会社が破綻した場合でも、破綻した補償対象契約の責任準備金等の90%まで補償を受けることが可能です。
日本語でサポートを受けられる
外資系だからといって、保険契約や契約後のサポートが英語になるわけではありません。
日本での事業展開は日本法人が行っているため、契約前の相談や契約後のサポートは日本語で受けられます。
本社や筆頭株主が海外企業であるだけで、一般的なやり取りは日本語で行えます。
※上記内容も必要かと思いますが、日系と大きく何が違うのか下記サイトのようにのせるとわかりやすいのでは。
イメージとしては大きく違うところは契約スタイルだと思うのでそこをもってつめるとつながると思います。
https://goodcoming.jp/media/59702/
外資系生命保険会社で契約するメリット
外資系生命保険会社は、日本の生命保険会社とは異なる点があります。
メリットを把握して「自分に合っていそうかどうか」をイメージしましょう。
商品設計がシンプルでわかりやすい
外資系が取り扱っている保険商品は、商品設計がシンプルでわかりやすい特徴があります。
顧客のニーズに合わせてオーダーメイドで保険を設計し、必要な保障のみ契約するのが一般的です。
日本の生命保険会社には、「医療保険+がん保険」「死亡保険+医療保険」のような複数の保障がパッケージ化されている商品が多くみられます。
複雑な保障内容ではなく、必要な保障のみ得られるシンプルな保険を求めている方であれば、外資系のほうが向いている可能性があります。
保険料を抑えやすい
外資系の保険商品はシンプルな分、保険料を抑えやすい点が特徴です。
必要な主契約のみ契約し、余計な特約を付加しなければ保険料を安く抑えられる可能性があります。
国内の生命保険会社が取り扱っているような、複数の保険がパッケージ化されている商品は保障が手厚い分保険料も高くなります。また、担当者制を敷いている保険会社では人件費もかさむため、保険料が高くなりやすいのです。
例えば、日本生命とチューリッヒ生命の保険料を比較すると、以下のようになります。
日本生命 | チューリッヒ生命 | |
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定期保険(死亡保険金額1,000万円・保険期間10年) | 2,470円(30歳男性) | 980円(30歳男性) |
上記はあくまでも一例ですが、できるだけ保険料を抑えたいと考えている方は、外資系が向いているでしょう。
外資系生命保険会社で契約するデメリット
外資系生命保険会社で保険契約をする際には、いくつか注意すべき点があります。
メリットだけでなくデメリットも把握し、自分でも問題なく加入できそうか判断してみてください。
保険に関する知識を身に着ける必要がある
外資系では、自分に必要な保険を自分の判断で選択する必要があります。
保険商品はパッケージ化されていないため「1つの保険に加入すれば幅広いリスクに備えられる」というわけではありません。
また、会社によっては日本の生命保険会社よりも顧客サポートが薄い可能性があります。
備えるべきリスクに対応できる保険に加入するためにも、自分で保険に関する勉強をすることが欠かせません。
このように、自分で知識を習得するための手間と時間が発生する点は、外資系のデメリットといえるでしょう。
日本から撤退するとサポートが受けられなくなる恐れがある
外資系は、日本での採算が取れなくなると日本から撤退する可能性があります。
撤退に伴って、日本でのサポートが手薄になるリスクがある点はデメリットです。
日本から撤退しても、契約管理だけ引き続き行われるか、契約が他社に引き継がれるため保障がなくなるわけではありません。しかし、サポート体制が手薄になる点には注意が必要です。
実際、2012年にオランダのING生命、ドイツのアリアンツ生命が日本から撤退しています。
今後も外資系が日本から撤退する事態はあり得るため、撤退リスクには留意する必要があるでしょう。
外資系生命保険がおすすめできる人の特徴
以下に該当する方は、外資系生命保険会社での契約が向いています。
・保険についてある程度知識がある人
・保険について自分で調べられる人
・保険料を抑えて保険加入したい人
・担当者によるきめ細かいサポートが不要な人
外資系で契約する際には、パッケージ化されていない独立した保険商品の中から、必要な保険を選択する必要があります。
「この保険ではどのようなリスクに備えられるか」「自分に必要な保険は何か」を自分で判断できる方であれば、契約後のミスマッチが起こりづらいでしょう。
保険料をできるだけ抑えたいと考えている方も、外資系での契約がおすすめできます。
担当者からきめ細かいサポートを受ける必要がない場合も、外資系で加入手続きを進めたほうがスムーズです。
自分に合った生命保険を選ぶための方法
自分に合った保険に加入する際には、外資系であるかどうかに関係なく、保障内容が自分のニーズに合っているか考えることが大切です。
以下で、自分に合った生命保険を選ぶための方法を解説します。
自分が備えたいリスクと必要な保障額を把握する
保険契約にあたって、自分が備えたいリスクと必要な保障額を把握することは欠かせません。
家族構成や資産状況に応じて、備えるべきリスクと必要な保障額は異なるためです。
例えば、夫婦だけの世帯と夫婦と小さい子どもが3人いる世帯を比較すると、万が一の際に備えるべき保障額は異なるでしょう。
現在の家族構成と資産状況、公的保険から受け取れる給付内容などを鑑みて「必要な保障額はいくらか」「備えるべきリスクは何か」を考えてみてください。
保障が必要な保険期間を決める
いつまで保障が必要なのかを考えて、必要な期間をカバーできる保険を選択しましょう。必要以上に長い保険期間で加入すると、余計な保険料を払うことになります。
逆に、保険期間が短いとリスクに備えるべき期間に必要な保障を得られず、万が一の事態が起きたときに家族が困ってしまう恐れがあります。
子どもが独立するまでの期間における保障が必要であれば、現在の子どもの年齢と独立を見込む年齢から必要な保障期間を計算するとよいでしょう。
例えば、子どもが現在2歳で大学を卒業するまでの保障があればよい場合は、20年が保険期間の目安となります。
無理なく払える保険料か確認する
生命保険に加入すると、継続的に保険料の支払いが発生します。保険料の支払いが難しくなると、途中で解約を余儀なくされる可能性があるため注意しましょう。
貯蓄性のある保険の場合、払済保険か延長保険に変更すれば保険料の払い込みをせず、解約返戻金相当の保障を継続することが可能です。
しかし、保障が不十分になってしまう恐れがあるため、必ずしもベストな選択とはいえません。
払済保険:解約返戻金をもとに従前と同じ保険期間で保険契約を行う。保険金は従前より少なくなる延長保険:解約返戻金をもとに従前と同じ保険金で保険契約を行う。保険期間は従前より短くなる
実際に保険契約をする前には、長期的に保険料を支払えるかどうか確認しましょう。
掛け捨て型保険(定期型保険)は貯蓄性がない分保険料が安く、貯蓄型保険(終身型保険)は貯蓄性がある分保険料が高い傾向にあります。
保険料が家計状況やキャッシュフローに与える影響を鑑みて、長期的に無理なく払い続けられそうかどうか確認してみてください。
終わりに|外資系生命保険会社を含めて自分に合った保険を選ぼう
外資系生命保険会社でも、契約の流れや契約後のサポートなどは日本の保険会社と大差はありません。
しかし、保険商品の内容が分かりやすく保険料が安いなど、外資系ならではのメリットがあります。
自分に必要な保険に加入するには、外資系かどうかではなく、保障内容や保険期間などを重視すべきです。
人生のリスクに備えるためにも、自分に合った保険を選択しましょう。