FXの注文方法にはさまざまな種類があり、使い分け方がわからない初心者も多いでしょう。初心者が知っておくべき注文方法は6つあり、最初はそのうちの「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」がわかると、最低限の取引が可能です。
この記事では初心者が知っておきたいFXの6つの注文方法を紹介します。この記事を読むとFXの注文方法がわかり、取引を始められるようになります。基本的な注文方法を理解し、少額取引から始めてみましょう。
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FXの注文方法の種類一覧
最初に、この記事で紹介するFXの注文方法を一覧表にまとめます。
注文方法 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
成行(なりゆき)注文 | 新規エントリー | 価格を指定しない |
指値(さしね)注文 | 新規エントリーまたは決済 | 価格を指定する |
逆指値(ぎゃくさしね)注文 | 新規エントリーまたは決済 | 今よりも不利な価格になったときに価格を指定して注文する |
IFD(イフダン)注文 | 新規エントリー+決済 | 新規エントリーに利益確定か損切りのどちらかを組み合わせる |
OCO(オーシーオー)注文 | 新規エントリーまたは決済 | 価格が上昇した場合と下落した場合の2つの注文を設定する |
IFDO(イフダンオーシーオー)注文 | 新規エントリー+決済 | 新規エントリーに利益確定と損切りの両方を組み合わせる |
※そもそも注文する際に何を決めなくてはいけないのかがわからないので、前提が欲しいです。あとメリット・デメリットがあれば
FXで知っておくべき6つの注文方法
FXの注文にはさまざまな種類があります。どのFX会社でも利用できる、代表的な6つの注文方法を解説します。
成行注文
FXの成行注文は現在の市場価格で注文を出す方法で、「今すぐにエントリーしたい」というときに使います。
成行注文は簡単に注文でき、すぐに取引できます。指値注文のように取引が成立しないリスクは基本的にありません。
その一方で希望するレートでは取引できず、値動きの激しいときにはスリッページが発生する場合があります。スリッページとは、注文を出した時点と約定する時点のレートが開いてしまうことです。
【成行注文の例(新規買い注文)】
現在1米ドル140円で1万通貨(米ドル)の買い注文を出す場合、以下のような内容を注文画面で指定します。
- 通貨ペア:米ドル/円
- 売買:買い
- 注文数量:1万通貨
指値注文
現在1米ドル100円のときに99円で買いたい場合は、指値注文で「99円での買い注文」を出します。
指値注文は希望する価格で取引できる反面、その価格に達しない場合には取引が成立しないおそれがあります。そのため、現在のレートとあまりにかけ離れたレートを指定せず、現実的なレートの指定が必要です。
また、すぐに約定する成行注文と違い、注文の有効期限を指定しなければなりません。有効期限の設定がわからない場合、「当日中」にしておくとよいでしょう。
指値注文は、主に相場分析にもとづいて新規エントリーする場合や、利益確定の決済注文に利用されます。
【指値注文の例(新規買い注文)】
現在1米ドル100円で、99円での1万通貨(米ドル)の買い注文を出す場合(有効期限は当日中)、以下のような内容を注文画面で指定します。
- 通貨ペア:米ドル/円
- 売買:買い
- 希望する価格:99円
- 注文数量:1万通貨
- 有効期限:当日中
逆指値注文
FXの逆指値注文は、現在のレートよりも不利なレートになった場合に注文を出す方法です。主に損切りでの決済に利用されますが、エントリーにも活用可能な注文方法です。
新規エントリー時に損切りのための逆指値注文を入れておくと、相場が想定外の値動きをした場合にも損失を限定できます。
逆指値注文も指値注文と同様に、注文の有効期限を指定しなければなりません。相場が思惑どおりに動いた場合、逆指値注文は成立しません。つまり、損切りの逆指値注文は、成立しないほうが望ましいというわけです。
【逆指値注文の例(決済売り注文)】
現在1米ドル130円で1万通貨(米ドル)の買いポジションがあり、129円に下がったら損切りする場合、以下のような逆指値注文をします。
- 通貨ペア:米ドル/円
- 売買:売り
- 希望する価格:129円
- 注文数量:1万通貨
- 有効期限:当日中
IFD注文
IFD注文は「If Done」の略で、新規注文と決済注文を同時に発注する方法です。IFD注文はチャートを見続ける必要がなく、希望する価格で自動的に取引できる点がメリットです。
IFD注文は「新規エントリー時点で利益確定も設定」、または「新規エントリー時点で損切りも設定」といった場面で利用します。
新規エントリーでは、成行または指値のいずれも指定可能です。決済注文は利益確定では指値、損切りでは逆指値を指定します。新規エントリーが指値注文の場合、新規注文が約定しなければ決済注文は実行されません。
【IFD注文の例(決済損切り注文)】
現在レート1米ドル130円でさらなる米ドルの上昇を予想し129円での買いエントリー、128円での損切りの売り注文を設定する例を見ていきましょう(注文数量は1万通貨)。以下のように注文を設定しておくと、希望のレートで約定してからさらにレートが下がった場合に自動的に損切りが実行されます
通貨ペア:米ドル/円
新規注文
- 売買:買い
- 希望する価格:129円
- 注文数量:1万通貨
- 有効期限:当日中
決済注文
- 売買:売り
- 希望する価格:128円
OCO注文
OCO注文は「One Cancels the Other」の略で2つの注文を同時に出し、どちらか一方の注文が約定したらもう一方の注文がキャンセルされる注文方法です。OCO注文は新規注文で相場がどちらに動くかわからない場合や、決済注文で利益確定と損切りを両方設定しておきたいときに使えます。
たとえば、新規注文が成立してからOCO注文で利益確定と損切りを設定しておけば、長時間チャートを見られないときにも安心です。
【OCO注文の例(決済注文)】
ここでは、新規エントリー後にOCO注文で利益確定と損切りを設定する方法を紹介します。現在1米ドル140円で1万通貨(米ドル)の買いポジションがあり、141円で利益確定、139円に下がったら損切りする場合、以下のようなOCO注文をします。指値注文と逆指値注文のいずれかが執行されると、もう一方の注文はキャンセルされる仕組みです。
通貨ペア:米ドル/円
注文数量:1万通貨
有効期限:当日中
OCO注文1(指値注文)
- 売買:売り
- 希望する価格:141円
OCO注文2(逆指値注文)
- 売買:売り
- 希望する価格:139円
IFDO注文
IFDO注文は、「IFD注文」と「OCO注文」を組み合わせた注文方法です。新規注文と同時に、利益確定注文と損切り注文を設定できます。新規エントリーから利益確定、損切りまですべての注文を一度に出せる全自動の注文方法といえます。
【IFDO注文の例】
ここでは、以下のようなIFDO注文の例を見ていきましょう。1米ドル140円で1万通貨(米ドル)の新規指値注文(買い)をし、141円で利益確定、139円に下がったら損切りします。
通貨ペア:米ドル/円
注文数量:1万通貨
新規注文(指値注文)
- 売買:買い
- 希望する価格:140円
- 有効期限:当日中
OCO注文1(指値注文)
- 売買:売り
- 希望する価格:141円
OCO注文2(逆指値注文)
- 売買:売り
- 希望する価格:139円
注文する前に知っておくべきこと
注文方法がわかったら、FXの取引をさっそく実践していきましょう。ここでは、FXの取引を始める前に知っておくべき点を解説します。
デモトレードで注文の仕方を覚える
FXの注文方法をマスターするには、事前にデモトレードによる練習がおすすめです。デモトレードとはFXの取引をシミュレーションできるサービスで、多くのFX会社で提供されています。
FXでは間違った注文がいったん約定すると、取り消しはできません。慣れないうちは注文を間違える可能性もあるため、操作方法を覚えるためにもデモトレードは有効です。デモトレードは、実際の取引で利用するFX会社でするようにしましょう。
初心者は米ドル/円から始めるとよい
初心者がFXに取り組む場合、通貨ペアは米ドル/円を選ぶようにしましょう。FXではさまざまな通貨ペアがあり、ユーロ/米ドルのように日本円を介さないものもあります。
米ドルは世界で最も取引量が多く、流動性が高い通貨です。そのため、米ドル/円は価格変動が比較的小さく、安定しています。また、日本人にとって馴染みやすく、情報も入手しやすい通貨ペアです。
米ドル/円で基本的な注文方法を身につけたら、他の通貨ペアにも挑戦してみましょう。
最初は小ロット・少額から
初心者のFX注文は、小ロット・少額から始めるようにしましょう。FXの取引単位をロットと呼び、1ロットは1,000通貨、1万通貨などが一般的です。
FXは最初から安定して勝つことは難しく、損をすることもあります。最初から高額の取引をせず、少額取引で損をしても大きなダメージを受けないようにしましょう。
FXはレバレッジをかけると自己資金より大きな取引ができます。しかし、自己資金以上の損をするリスクもあるため、初心者にレバレッジの高い取引は向きません。そのため、最初から1ロットの通貨数が少なめのFX会社で少額取引を始めるとよいでしょう。
損切り注文を忘れずに
FXでは新規注文と同時、または注文後に損切り注文をする習慣をつけましょう。損切りとは価格が予想と反対に動いたときに、損失を最小限に抑えるために決済する取引手法です。
FXでは利益確定のレートを想定したうえでエントリーすべきですが、想定どおりにならないケースもあります。そうしたケースに備えて損切り注文を設定すると、自分の許容できる範囲内に損失を抑えられます。
また、損切り注文によって感情に流されない取引が可能です。
FXでは損切りが必要な理由とは?損切りしないとどうなる?決め方や注文方法を解説 | @nextマガジン
エントリーのタイミング
FXのエントリーはいつでもよいわけではなく、適切な売買タイミングを見極める必要があります。ここでは、FXのエントリーのタイミングを紹介します。
押し目買い
「押し目買い」とは、上昇トレンド中の一時的な下落(押し目)を利用して買い注文を出す手法です。ただし、押し目と判断しても、実はトレンドが反転している可能性もあります。そのため、必ず損切り注文を入れる必要があります。以下は、押し目買いの一例です。
米ドル/円が上昇中
1米ドル140円まで上昇したが、139円まで下落
1米ドル139円で押し目買い
その後、米ドル/円が再び上昇
1米ドル142円で利益確定
※上記流れをわかりやすくしたい
戻り売り
「戻り売り」とは、下降トレンド中の一時的な上昇(戻り)を利用して売り注文を出す手法です。押し目買いと同様に、戻りと判断してもトレンドが反転しているケースも考えられます。必ず、損切り注文を入れましょう。以下、戻り売りの一例を紹介します。
米ドル/円が下降中
1米ドル138円まで下落後に、139円まで上昇
1米ドル139円で戻り売り
その後、米ドル/円が再び下落
1米ドル136円で利益確定
※上記流れをわかりやすくしたい
エントリーポイントとしての節目
節目とは、多くの人が意識する為替レートです。節目はサポートラインやレジスタンスラインとして機能することが多く、FXのエントリーポイントとして有効です。
サポートラインは価格の下落に対し、下げ止まる可能性が高いと考えられるラインです。レジスタンスラインとは価格の上昇に対して、それ以上の上昇はしにくいと考えられるラインです。
FXのエントリー時に見るべき節目には、以下のようなものがあります。
- サポートライン
- レジスタンスライン
- 直近の高値と安値
まとめ
FXの注文方法は成行注文、指値注文、逆指値注文ができると、新規エントリーから利益確定、損切りの決済までが可能です。新規エントリー後は決済注文も入れておくと、寝ている間の相場変動にも対応できるでしょう。
さらに、OCO注文のような自動的に利益確定や損切りができる注文を使いこなせると、忙しい人でも手間をかけずに注文を実行できます。最初は基本的な注文から始め、慣れたら便利な注文を試してみるとよいでしょう。