iDeCoに年末調整や確定申告は必要?やり方や申請について解説します(13943年末調整にまとめる)

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個人型確定拠出年金であるiDeCoは私的年金制度のひとつで、効率よく老後の資産形成が行えます。

iDeCoには掛金が全額所得控除になるなど、複数の税制メリットがあり、年末調整や確定申告によって税金が戻ってくるケースもあるでしょう。

とはいえ、はじめてiDeCoを利用する人の中には、所得控除を受けるための手続きが今ひとつよくわからないといった方も多いかもしれません。

そこで、今回の記事ではiDeCoにおける年末調整や確定申告の方法について解説します。

目次

年末調整と確定申告の違いとは

年末調整も確定申告も、どちらも所得税を正しく計算して支払うために行う手続きという点で大きな差はありません。

しかし、両者はそれぞれ異なる意味で使われます。ここでは、年末調整と確定申告の違いについて見ていきましょう。

年末調整

年末調整とは、給与や賞与から源泉徴収で天引きされた所得税の過不足を調整する手続きを指します。

毎年1回、その年の10月頃から翌年1月にかけて行われるのが一般的です。

年末調整の結果、所得税を納めすぎていた場合は還付され、不足があれば追加で徴収されることになります。

年末調整は給与を支払っているすべての従業員が対象となるため、正社員だけでなくアルバイトやパートも含まれます。

【年末調整の対象者】

・1年を通じて働いている人
・年の途中で就職し、年末まで勤務している人
・年の途中で海外等への転勤によって、非居住者となった人
・死亡や疾患などで年の途中で退職した人

・12月に給与の支払いを受けた後、退職した人
パートタイマーとして働いている人が退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下の場合(退職後、年末までに他の勤務先から給与を受け取る見込みがある場合を除く)

確定申告

先述したように、給与所得者は原則として個人で確定申告を行う必要はありません。

しかし、副業や兼業によって他に所得が生じている場合や、医療費控除などの適用を受けたい場合には勤め先で年末調整をしたうえで、さらに自分で確定申告をしなければなりません。

また、フリーランスや個人事業主などで収入を得ている人は、1年間の所得税額を確定させるために確定申告をしなければなりません。

毎年2月半ばから3月半ばまでが確定申告期間となりますので、期限内に申告を終わらせるようにしましょう。

【確定申告の対象者】

・個人事業主の場合
・給与以外の収入が年間20万円以上ある場合
・医療費控除を受ける場合
・住宅ローン控除を受ける初年度の場合
・ふるさと納税で6か所以上の自治体に寄付している場合
・2か所以上から給与をもらっている場合
・年の途中で退職して再就職していない場合
・年収2,000万円を超える場合
・年末調整をし忘れた場合

会社員・公務員の場合は「年末調整」が必要

会社員や公務員の場合、iDeCoでの所得控除を適用するためには年末調整の手続きが必要です。

ここでは年末調整の手順と、確定申告が必要なケースについて解説します。

年末調整の手順

年末調整の手順は、以下の通りです。

1.小規模企業共済等掛金払込証明書を用意する
2.年末調整の書類に必要事項を記入する
3.書類を勤務先に提出する

まず、国民年金基金から10月下旬に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が発送されるので、年末調整の時期まで必ず手元で保管しておきましょう。

その後、勤務先で「保険料控除申告書」が配布されたらiDeCoの掛金金額を記載して、勤務先に提出します。

(※民間の生命保険や地震保険に加入している場合はその保険料も記載する)

提出期限は勤務先によって異なりますが、中には11月中に提出期限を設けている場合もあります。

そのため、早めに準備しておくことをおすすめします。

確定申告が必要なケース

会社員や公務員であっても、次のいずれかのケースに該当する場合は、各自で確定申告の手続きを済ませる必要があります。

・その年中に支払いを受ける給与や賞与の収入金額が2,000万円を超える場合
・給与以外の所得が20万円を超える場合
・2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える場合
・同族会社の役員などで、そこからの給与の他に不動産の貸付による家賃収入などがある場合
・災害によって被害を受け、災害減免法の規定によって源泉徴収の猶予または還付を受けた場合
・源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている場合

※出典:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

なお、上記に加え、年末調整を忘れた場合も確定申告が必要となるので注意しましょう。

自営業なら「確定申告」が必要

iDeCoで所得控除を受けるために必要な、確定申告書の作成手順は以下の通りです。

1.iDeCoの掛金払込証明書の取得
2.確定申告書第二表に必要事項を記入
3.確定申告書第一表に転記
4.iDeCoの証明書を添付して税務署に提出

1.iDeCoの掛金払込証明書の取得

iDeCoの実施主体である国民年金基金連合から届いた「小規模企業共済等掛金払込証明書」を手元に用意します。

なお、発送時期の目安は当年中9月までに掛金の払い込みをした人には11月頃。

当年に加入し、掛金の払い込みが10月~12月の間に開始した人は翌年2月頃です。

2.確定申告書第二表に必要事項を記入

確定申告第二表の社会保険料控除の次に、小規模企業共済等掛金控除の払込額を記入しましょう。

なお、年末調整をしているか否かで次のように記載方法が異なります。

年末調整をしていない場合「支払保険料等の計」「うち年末調整等以外」の両方に払込金額を記載
年末調整をしている場合「年末調整」をしている場合は源泉徴収票の「社会保険料等の金額」上段の内書きを「支払保険料等の計」に記載

3.確定申告書第一表に転記

第二表に記載した金額の合計額を確定申告書第一表に転記します。

ここで、他の所得控除と合算した金額を算出し、各種所得控除金額から控除する流れになります。

4.iDeCoの証明書を添付して税務署に提出

確定申告書に「小規模企業共済等掛金払込証明書」「源泉徴収票(会社員および公務員の場合)」を添付し、税務署に提出しましょう。

申告方法は主に以下の3つです。

・確定申告場にいって、作成し提出する
・自分のPCやスマホで申告書を出力し郵送、または税務署に持参する
・e-Taxを利用してPCやスマホで送信する

このうち、e-Taxによる確定申告の場合は「小規模企業共済等掛金払込証明書」の添付を省略可能です。

インターネットで完結するため、上記3つの中ではもっとも便利な方法といえます。

書類を提出してからおよそ1ヶ月から1ヶ月半を目安に、指定した銀行口座へお金が入金されるほか、翌年の住民税が確定した際には所得税控除分の軽減を受けられます。

なお、入金の時期については税務署から通知はがきが送付されるため、きちんと確認しておきましょう。

e-Taxで申告を行った場合は、e-Taxの個人ページから還付金の処理状況が確認可能です。

iDeCoの確定申告を忘れてしまった場合

掛金の申告を忘れてしまっても、ペナルティが課されることはありません。

とはいえ、iDeCoは所得控除の対象となるため、申告を忘れてしまうことは必要以上に所得税を納めていることになってしまいます。

たとえば、年収600万円の会社員が毎月22,000円の掛金を支払っていた場合、年間で支払った26.4万円が全額所得控除の対象となり、所得税と住民税をあわせて52,800円の節税となります。

所得が増えれば増えるほど、掛金額が多ければ多いほど節税効果は高まるため、iDeCoを利用しているのであれば所得控除をしっかりと受けるようにしましょう。

なお、掛金の申告を忘れた場合には「還付申告」を行うことで払いすぎた税金を還付してもらえます。

還付申告はiDeCoの掛金を支払った翌年の1月1日から5年間の間にわたって、提出できるため、気づいた時点で速やかに申請手続きを進めることが大切です。

オンラインで還付申告を行う場合、国税庁のウェブサイトの確定申告書等作成コーナーから新規に作成します。

画面に表示されている「作成開始」を押下し、提出方法を選んだ上で書類の作成を進めましょう。

年末調整や確定申告で所得控除を受けよう

今回の記事では、iDeCoにおける年末調整や確定申告の方法について解説しました。

年末調整だけでよいのか、確定申告が必要となるのかは個々が置かれている状況によって異なります。

まずは、自分がどこに該当するのかを把握した上で、適切に申告作業を進めることが大切です。

また、万が一掛金の申告を忘れてしまった場合には、「還付申告」を行うことによって払いすぎた税金を取り戻すことができます。

iDeCoの掛金を支払った翌年の1月1日から5年間が対象期間となりますので、気づいた時点で早めに対処するようにしましょう。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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