iDeCoを一時金で受け取る場合の税金は?後悔しない受け取り方を解説します(iDeCo受け取り時の記事としてアップデート・14335の途中解約とまとめる)優先度高め

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iDeCoには3通りの受け取り方があり、それぞれ異なる税金が課されます。

人によって利用できる税制優遇が異なるため、安易に受け取り方を決めてしまうと場合によっては課税額が増えてしまいかねません。

そのため、iDeCoの退職金や公的年金などの控除額を考慮したうえで、自身に合った受け取り方を選ぶことが大切です。

今回の記事では、iDeCoを一時金で受け取る場合の税金をはじめ、受け取り方のコツについて解説します。

目次

iDeCoは受け取り方で税金が変わる!3通りの受け取り方法

iDeCoは受け取り方によって、かかる税金が異なります。

ここでは受け取り方法別に課税される税金について解説します。

一時金で受け取る場合の税金

一時金での受け取りとは、運用している資産を現金化し、一括で全額受け取る方法のことを指します。

税制上、一時金で受け取る場合は「退職所得」の扱いになり、退職所得控除が利用可能です。

退職所得の計算では、下表のように勤続年数に応じた退職所得控除を差し引くことができます。

▼退職所得の求め方

退職所得の金額 = (源泉徴収前の収入金額 ー 退職所得控除額) × 1/2

▼退職所得控除額の求め方

勤続年数(iDeCoの加入年数)= A退職所得控除額
20年以下40万円×A(80万円に満たない場合は、80万円)
20年超800万円+70万円×(Aー20年)

たとえば、iDeCoの加入年数(iDeCoでの掛金拠出月数)が30年で資産が3,000万円の場合、計算式は以下のようになります。

退職所得控除額
800万円+70万円×(30-20)=1,500万円

退職所得
(3,000万円-1,500万円)× 1/2=750万円

よって、750万円に対して所得税が課されることになるでしょう。

年金として受け取る場合の税金

iDeCoを年金として受け取る場合、公的年金と同じように毎月一定額の資産を受け取れます。

金融機関によって受取期間や受取回数は異なりますが、自分が望むパターンで受け取れるケースがほとんどでしょう。

受取にあたっては公的年金とおなじ「雑所得」扱いとなり、公的年金控除が利用できます。

受取金額から控除額を差し引いた金額が課税対象となるほか、以下の計算式によって算出可能です。

公的年金等に係る雑所得の金額
= 収入金額 ー 公的年金等の控除額

なお、公的年金等控除の金額は、受給者の年齢や公的年金等の収入金額の合計で計算方法が変わります。

▼受給時の合計所得が1,000万円以下の場合(令和2年分以降)

▼受給時の合計所得が1,000万円超、2,000万円以下の場合

▼受給時の合計所得が2,000万円以上の場合

出典:国税庁(No.1600 公的年金等の課税関係)

たとえば、公的年金などに係る雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合において、公的年金とiDeCoの受取金額が300万円だったとします。
(*年金を受け取る人の年齢を、報酬比例部分の受給開始の62歳の方と仮定する)

この場合、公的年金等に係る雑所得の金額は以下のようになるでしょう。

300万円×0.75-27万5,000円=197万5,000円

*出典:公益財団法人生命保険文化センター:リスクに備えるための生活設計

ややこしく感じてきたので、65歳と400万と仮定した下記内容はいかがでしょうか。

たとえば、公的年金などに係る雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合において、65歳の方が公的年金とiDeCoの受取金額の合計400万円だったとします。

この場合、公的年金等に係る雑所得の金額は以下のようになるでしょう。

400万円×0.75-27万5,000円=272万5,000円

一時金+年金で受け取る場合の税金

iDeCoは一時金と年金の2種類を併用して受け取ることも可能です。

この場合、一時金で受け取る金額を決め、残りは年金として受給します。

また、一時金で受け取る金額には退職金控除、年金で受け取る金額には公的年金等控除の適用が可能です。

おすすめの受け取り方

ここまでを踏まえた上で、おすすめの受け取り方の一例を以下に記しました。

▼iDeCo以外に他の所得がない場合:退職金が少ない会社員・退職金のない自営業者・専業主婦等
一時金で受け取るのがおトク

▼退職金が多い、公的年金やiDeCoの給付額が少ない:会社の退職金やiDeCoの一時金が退職所得を大幅に超えてしまう人 
年金形式で受け取るのがおトク

▼退職金も年金も多く、iDeCo残高が多い人
一時金+年金で受け取るのがおトク

まずは自分が置かれている状況を確認したうえで、それぞれに見合った方法での受取を検討するとよいでしょう。

そもそもiDeCoは何歳から受け取れるのか?

この章を最初に持ってきてから受け取り方→注意点のほうがスムーズな流れなきがします。

iDeCoの掛金は原則60歳から引き出すことができます。

ただし、60歳から受け取るためには掛金の拠出期間が10年以上あることが条件です。

通算加入者等期間が10年に満たない場合は、受給可能となる年齢が繰り下げられる点に注意しましょう。

▼加入期間等に応じた受給開始年齢

通算加入者等期間受給開始可能年齢
10年以上60歳
8年以上 10年未満61歳
6年以上 8年未満62歳
4年以上 6年未満63歳
2年以上 4年未満64歳
1ヵ月以上 2年未満65歳

※企業型確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)から移換手続きを行っている場合、移換した制度に加入していた期間も含まれる
※企業型確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)に加入したことがなく、60歳以上でiDeCoに加入した場合、加入から5年以降の受け取り開始となる

また、一度iDeCoを受けると新規で掛金を拠出できなくなりますが、60歳以降も積立てを継続したい場合は65歳まで拠出可能です。(※掛金の運用自体は75歳まで可)

なお、75歳を超えてもiDeCoの受給申請をしなかった場合、一時金として全額支給されることになるので注意しましょう。

iDeCoの受け取り方ごとの注意点

iDeCoの受け取り方には、「一時金」「年金」「一時金+年金」方式の3種類があります。

受け取り方によって異なる税金が課税されることから、以下の点に注意したうえで自分に合った受け取り方を選ぶようにしましょう。

一時金で受け取る場合は退職金の金額を確認

iDeCoを一時金で受け取る際、退職所得の扱いとなるため、退職所得控除を利用できます。

ただし、退職金が多い場合に課税所得が増えてしまう点に注意が必要です。

この場合、年金で受け取るようにするほか、一時金と年金を組み合わせて受け取ることで税金を減らせる可能性があります。

受け取り方を検討する際は、受給額が退職所得控除内に収まっているか確認しておくことが大切です。

年金で受け取る場合は公的年金などの所得に注意

iDeCoを年金で受け取る際、65歳未満かつiDeCoの受給額が60万円未満であれば、雑所得は0円となり所得税はかかりません。

しかし、公的年金等所得があり60万円以上になってしまう場合は所得税がかかってしまいます。

65歳以上の人はiDeCoの年金と公的年金の合計が110万円以下であれば所得税はかかりません。

iDeCoのほかに公的年金などの所得を考慮することも忘れないようにしましょう。

退職所得控除の5年ルールと19年ルールを理解する

5年ルールとは、iDeCoの一時金と退職金を5年あけて受け取れば、退職所得控除を2回適用させられる仕組みのことです。

仮にiDeCoの一時金を60歳、退職金を65歳で受けとるなど5年の期間があくようにすると、より高い節税効果が見込めます。

また19年ルールとは、退職金を受け取ってから、iDeCoの一時金を受け取るまでの期間を19年空けないと、退職所得控除が一度しか受けられない制度のことです。

iDeCoは最長75歳まで受け取りを伸ばせるため、55歳で退職金を受け取り、75歳でiDeCoの一時金を受け取れば回避することができます。

iDeCoを受け取る際の必要な手続き

iDeCoを受け取る際は、以下の流れに沿って手続きが必要です。

1.受給権資格取得通知書を受け取る
2.何歳で、どの受け取り方をするか決める
3.必要書類を取り寄せる
4.印鑑登録証明書などの添付書類を揃える
5.必要書類を金融機関に提出する
6.書類の不備がなければ給付裁定結果通知書が届く

iDeCoの受け取りをいつ開始するかによって、必要な書類を準備するタイミングは異なります。

そのため、余裕を持って準備に取りかかるようにしましょう。

なお、受給権資格取得通知書や給付裁定結果通知書などの書類は、iDeCo運用中の金融機関に登録している住所に届きます。

引っ越しをした際に住所変更を忘れていると、自宅に届かない恐れがあるため注意が必要です。

まとめ

今回の記事ではiDeCoの3つの受け取り方をはじめ、注意点や必要な手続きについてお伝えしました。

iDeCoは受け取り方によって異なる税金が課されるほか、利用できる税制優遇が異なります。

退職金や年金の控除額を考慮したうえで、自身にとって最適な方法を選ぶようにしましょう。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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