【早見表付き】新NISAはどれくらい儲かる?理想の積立額をシミュレーション

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新NISAは2024年に大きく制度が変わり、注目度が高まっています。

「NISAって本当にお金が増えるの?」「いくらするべき?」と疑問に思っている人も少なくありません。

そこで、今回はFP1級の元銀行員が、積立額別のシミュレーションをもとに、どのくらい資産が増えるのかを検証します。

毎月1万円を30年間積立した場合、元本が360万円に対して、利益が860万円にもなることが分かりました(年利7%の場合)。

そのうえで、いくら積立をするべきか、どのようにお金を守るべきかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

新NISAの特徴をおさらい

つみたて投資枠成長投資枠
非課税保有期間無期限無期限
制度(口座開設期間)恒久化恒久化
年間投資枠120万円240万円
非課税保有限度額(総枠)1800万円(内、成長投資枠は1200万円まで)
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(金融庁の基準を満たした投資信託に限定)上場株式・投資信託等(※1)
対象年齢18歳以上18歳以上

※1 ①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
出典:NISAを知る:NISA特設ウェブサイト:金融庁 (fsa.go.jp)

新NISAの特徴は主に4つ。

①ずっと非課税で保有できる
②併用できる2つの投資枠
③年間投資枠は360万円まで
④非課税枠が再利用できる

詳しく解説していきます。

①ずっと非課税で保有できる

投資した利益には通常20.315%(※1)の税金がかかりますが、NISAだと非課税で受け取ることができます

例えば、100万円の利益が出た場合、通常なら約20万円の税金が引かれてしまいますが、NISAなら100万円すべて受け取ることが可能です。

非課税の運用が一生涯続くことも、大きなメリットです。

また、いつでも出金ができるので、ご自身のライフイベントに合わせて、必要な金額を好きなタイミングで引き出すことができます。

老後資金・教育資金など、さまざまな目的にあわせて運用するのにぴったりな制度です。

※1  所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%

②併用できる2つの投資枠

新NISAには「つみたて投資枠」「成長投資枠」があり、それぞれ併用して利用することができます。

「つみたて投資枠」は、国が長期投資に向いていると判断した投資信託が対象なので、初心者の方でも始めやすいのが特徴です。

買い付けは積立のみで、年間120万円まで投資することができます。

値動きに関係なくコツコツと買い付けしていくので、時間分散もされて長期投資に向いていますよ。

一方、「成長投資枠」は、つみたて投資枠よりも、さらに自由度が高い投資ができるのがポイントです。

投資対象商品は、上場株式や投資信託で、大きな値上がり益を狙った投資も可能です。

買い付けは一括・積立のどちらもでき、ご自身の投資スタイルに合わせることができます。

初心者の方は、まずは「つみたて投資枠」を利用することをおすすめします。

そのうえで、120万円の上限額以上に投資したい場合や、よりリスクの高い株式投資に挑戦する場合は、成長投資枠を活用するとよいでしょう。

③年間投資枠は360万円まで

1月〜12月の1年間で投資できる金額は、最大360万円です。

つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となり、2023年までのNISAと比べて大幅に金額がアップしました。

積極的に運用したい人にはうれしい特徴です。

生涯での投資上限額は1,800万円となっており、毎年360万円を投資すれば、最短5年で埋めることが可能です。

しかし、決してフルの金額を投資する必要はありません。必ず余裕資金の範囲内で積立額を決めましょう

毎月の積立額は自由に変更したり、停止することができます。

新NISAはより融通が利きやすい制度になったので、ご自身のライフスタイルにあわせて調整できるのもポイントです。

④非課税枠は再利用できる

一度使った非課税枠は、売却後その枠が復活します。

例えば、200万円で買った投資信託を売却した場合、その年の投資枠が未使用ならその年から、使い切っていた場合は翌年から200万円分が復活します。

住宅の購入や子供の教育資金などでNISAの資金を使っても、非課税枠を再利用して老後資金の準備に使うということもできますよ。

新NISAでいくら増える?まずは、運用期間と利回りを確認

NISAでいくら増えるかは、「積立額、運用期間、利回り」から計算できます。

まずは、運用期間を確認しましょう。現在の年齢から退職するまでの期間が何年あるか計算してみてください。

仮に、現在35歳の方が、65歳で退職する予定なら、給与から積立できる期間は30年間です。

利回りは積立する銘柄によって異なります。全世界株式の投資信託の場合、平均的な利回りは年率9.52%*です。

しかし、これは2004年〜2023年の直近20年間の平均です。

短期的に見ると、様々な要因で利回りがマイナスになる時期もあります。

基本的にNISAは長期運用を心掛け、焦って売却をしないことも重要です。

参考:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価と利回り【オルカン】 (toushikiso.com)
※利回りの根拠は、連動対象であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)の2004年〜2023年のCAGR(年平均成長率)から、想定される運用コストを差し引いて算出した数値です。

積立額別にシミュレーションをした結果

積立額別にシミュレーションした結果は以下の通りです。

※年率7%で運用した場合

【運用期間 10年】

毎月の積立額運用総額運用益
5,000円87万円+27万円
1万円173万円+53万円
3万円519万円+159万円
5万円865万円+265万円

【運用期間 20年】

毎月の積立額運用総額運用益
5,000円260万円+140万円
1万円521万円+281万円
3万円1,563万円+843万円
5万円2,605万円+1,405万円

【運用期間 30年】

毎月の積立額運用総額運用益
5,000円610万円+430万円
1万円1,220万円+860万円
3万円3,660万円+2,580万円
5万円6,100万円+4,300万円

参考:【金融庁】つみたてシミュレーター

シミュレーションの結果から、積立額が多く運用期間が長いほど、運用益も大きくなることが分かります。

特に、10年より30年と長期で投資した場合は、利益がさらに利益を生む「複利効果」が働き、雪だるま方式に増えていきます。

値動きに関係なく、上がっているときも下がっているときも、コツコツ積立を継続することが、投資に失敗しない秘訣です。

無理のない範囲の金額で、長い目線での投資を心がけましょう。

NISAの積立額はいくらにするべき?

NISAでいくら積立するべきかは、人それぞれ異なります。

現在の家計の状況や、将来必要になる資金が違うからです。

目標金額や運用できる年数から逆算すると、ご自身が積立するべき金額がわかりますよ。

例えば、現在35歳の方が退職する65歳までの間に、老後資金として2,000万円準備したいと考えているとします。

年率7%で運用する場合、毎月の積立額は16,394円(※1)と分かります。

一方で、銀行ですぐに使う予定のない資金が眠っているのは、大変もったいないです。

メガバンクの定期預金の金利は、年率0.025%(※2)と低く、物価の上昇率の方が上回っている状況です。

毎月の家計から無理のない金額で投資をするのがポイント。

NISAなら、積立額の変更や停止はいつでも可能なので、家計の状況に応じて柔軟に対応することができますよ。

病気やけがで働けなくなった時など、万が一のときに銀行預金に置いておきたい資金を「生活防衛費」といいます。

生活防衛費は一般的に、1カ月の生活費×6カ月~1年分を貯めておくと安心でしょう。

※1 金融庁㏋にて試算
※2 三井住友銀行 スーパー定期1年 2024年5月現在
円預金金利 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)

1万円で始めるのは意味ない?

少額から始めることができるNISAですが、毎月1万円でも30年間続けると1,220万円貯まります(年率7%で運用)。

コツコツと長期で継続すれば、大きな資産を作ることができます。

初めから大きな金額ですると値動きが気になったり、下落した時に解約したくなったりするかもしれません。

投資初心者の方は、値動きに慣れることも大切です。

100円から設定することができるので、まずは値動きに慣れるために少額から始めて、徐々に金額を増やす方法もおすすめです。

「長期・分散・積立投資」でリスクを減らす

投資に対してさまざまな不安はつきものですが、「長期・分散・積立投資」の3つの手法で、リスクと上手く付き合っていくことができます。

長期投資では、「複利」の効果が発揮されます。

相場の上昇局面では、運用で得た利益がさらに利益を生み、雪だるま式に資産が増えていきます

分散投資の効果を得るには、投資信託での運用が効果的です。

仮に、1社のみの株式で運用していた場合、その会社が倒産すると、資産はゼロになってしまいます。

しかし、500社のうちの1社であれば、資産全体への影響はかなり軽減されます。

このように、大切なお金を一極集中してしまうことはリスクが高いので、1つの銘柄で多くの株式などが含まれる投資信託を保有することがおすすめです。

また、積立投資をすることで、買い付けのタイミングの分散効果が図れます。

同じ積立額でも、価格が上がっている時は少ない口数で、下がっている時はたくさん買い付けすることができます。

値動きに一喜一憂せずに投資をすることができますよ。

老後資金などの将来の資産を運用する場合、長い目線でみるといずれ暴落を経験します。

資産がマイナスになった場合、焦って解約することは禁物。

セールで安く買えるチャンスと思って、淡々と積立を続けることがNISAで失敗しないコツですよ。

まとめ

低金利や物価上昇の影響もあり、銀行預金だけで老後資金や教育資金を貯めることは難しくなってきています。

NISAを上手く活用すれば、将来のお金の不安も解決できるかもしれません。

毎月1万円を30年間、年率7%で運用した場合、1,220万円貯めることができます。

さらに、毎月3万円で3,660万円、毎月5万円なら6,100万円の資金を準備することができます。

いくら積立するべきかは人それぞれ異なります。

いつまでにいくら貯めたいか考え、逆算してシミュレーションしましょう。

投資は元本保証がなく、損をする可能性もあります。

「長期・分散・積立投資」でリスクを減らし、無理のない範囲で積立額を設定することが大切です。

2024年に大幅にアップデートされたNISAを上手く活用して、将来お金で困ることがないよう、今のうちに対策しておきましょう。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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