「結婚・出産したら保険に入った方がいいって聞くけど本当かな」「生命保険に入ったらどんなメリットがあるの?」
生命保険が自分に必要なのか分からない方はたくさんいます。
特に20〜30代と若く健康な世代は大きな病気やケガの経験も少なく、老後や介護の保障と聞いてもピンと来ない方もいるでしょう。
本コラムでは、「生命保険ってよく聞くけど、必要なのか分からない」という方に、生命保険に入るメリットや仕組み、どんな種類があるのかを紹介していきます。
生命保険とは?
生命保険とは、病気・ケガ・死亡・介護・教育費・老後生活などでお金が必要な時に、保険金を受け取ることができる仕組みです。
生命保険に入る時のポイントは、次のとおりです。
・誰のために(目的)
・いくらお金を準備するか(受け取る保険金額)
・どんな時に保険金を受け取ることができるのか(条件)
・国の制度でもらえるお金と生命保険でもらえるお金のバランス
それぞれの考え方と、生命保険の仕組みについて解説します。
誰のために保険に入る?(保険に入る目的)
病気・ケガで入院や手術をした時は治療費がかかってしまいますよね。
このような医療費に備えて入る生命保険は「医療保険」です。これは自分のために入る保険ですね。
保険金の受け取りも基本的に加入者本人(被保険者)となります。
では、配偶者や子どもがいるケースはどうでしょうか。
自分や配偶者が亡くなった時、残された家族は1人分の収入で生活していけるのか考える必要があります。
死亡に備えて入る生命保険を「死亡保険」といいます。これは、家族のために入る保険です。
保険金を受け取る人は配偶者や子どもなど契約時に決めることができます。
このように、生命保険は誰のために入るかによって保険の種類が変わります。
受け取る保険金額をシミュレーションしよう
よくテレビCMや広告などで「月々○○円で、死亡保障1,000万円!」というキャッチコピーが流れますよね。
生命保険は、保険に加入する方の健康状態、契約期間、保障内容(どんな条件でいくら保険金をもらうか等)などによって、毎月支払う保険料が変わります。
毎月の保険料は固定費のため、必要な分だけの保険に入り、なるべく節約したいですよね。
そこで、いくら保険金を準備する必要があるのかを事前にシミュレーションすることが大切です。
(例)死亡保険のケース
自分が死亡した時に遺族に必要なお金 ー( 社会保障+貯金)= 保険金
例えば、経済的な柱である自分(配偶者)が死亡した時に、子どもがまだ5歳だった時、 今までは夫婦2人の収入で生活していたのに1人分の収入になります。
毎月の生活費と子どもの大学までの教育費が必要ですよね。
このケースの社会保障には遺族年金があります。
しかし、遺族年金と貯金を合わせても多くの方が生活費や教育費を捻出できるのか不安に感じるはずです。
その不足分の生活費や教育費を保険金でカバーできたら安心ですよね。
保険で準備しておく金額を事前にシミュレーションすることがポイントです。
保険金がもらえる条件をチェックする
保険会社や保険商品によって、どの条件で保険金を受け取ることができるのかが異なります。
入院したら保険金が下りる医療保険に入ったのに入院3日までは対象外だった、などのトラブルはよく耳にします。
独立行政法人国民生活センターによると、保険の相談件数は表の通りです。
年度 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|
件数 | 6,084 | 5,298 | 5,649 |
相談の多くは「思っていた契約内容と違った」というものです。万が一のときにそんな思いはしたくないですよね。
保険を契約する時は、保険の説明書(約定)にしっかり目を通し、分からない点は保険の担当者に確認することが大切です。
国の制度でもらえるお金も調べましょう
先ほど遺族年金を紹介しましたが、日本にはさまざまな社会保障制度があります。
収入によって医療費の負担額の上限が決まっている「高額療養費制度」や、介護が必要な時に活用できる「公的介護保険制度」などがあります。
家族や自分に万が一の事があった時に必要なお金から、社会保障でもらえるお金を引き、足りない分を保険金でカバーする、というのが保険の基本的な考え方です。
高額の保険金を準備しようとするとその分毎月支払う保険料も高くなるため、国の制度についてもよく調べましょう。
生命保険の仕組み→生命保険の種類と特徴
生命保険は、目的、誰のために、いつまで(期間)、保障内容、保険金を受け取る条件をしっかり理解して選ぶことが大切です。
各生命保険のポイントと、公的制度にはない返戻金や健康お祝い金など、民間の生命保険ならではのメリットも合わせて紹介します。
死亡保険
死亡保険は、契約者本人が死亡または高度障害状態になったときに保険金がもらえる保険です。
主に残された家族や亡くなったあとの葬儀費用を確保するために加入します。
期間が決まっている定期保険と、保障が一生涯続く終身保険があります。
保険会社によっては持病があっても入れたり、特定の病名で診断を受けた場合は保険料の払い込みを免除する特約を付けられる商品もあります。
医療保険
医療保険は、病気やケガで医療費がかかる時に利用できる保険です。
高額療養費制度を活用する前提で商品を選ぶのがおすすめです。
なかには、健康状態を維持すれば数年ごとにお祝い金がももらえたり、保険料が生涯変わらない商品もあります。
保障内容だけでなくお得な一面がある商品も探してみましょう。
がん保険
がんと診断された際にまとまった一時金がもらえたり、がんで入院・手術した際に保険金がもらえる保険です。
がんを早期発見するために定期健診をサポートする特約を付けられる商品や、抗がん剤・ホルモン剤治療を受ける月に保険金を受け取れるなどがん治療に心強いタイプの商品など保険会社によって特色があります。
がんは治療を終えても再発や転移のリスクがあるため、数年間は定期検診が欠かせません。
治療の途中で加入期間が決まっている定期保険から終身型の保険に変えられる商品もあります。
通常は保険の切り替えや更新には「告知」が必要ですが、告知不要の商品もあります。
がんに特化した保険を考えている方は各社の特徴をよく比べてみましょう。
学資保険
主に教育費を準備するために入る保険で、15歳や18歳など入学・進学時にまとまった保険金を受け取ることができます。
契約者が死亡したときは保険料が全額免除になる点が特徴です。
支払った保険料に対して受け取ることができる満期保険金の割合を表す「返戻率」は各保険会社によって異なるため、気になる方は学資保険の返戻率ランキングで比較するのがおすすめです。
生命保険の必要性について→生命保険に入るメリットとは
生命保険に入ると、私たちの生活を取り巻くあらゆるリスクに備えることができます。
1番のメリットは、貯金だけでは準備できない金額の保障が受けられる点です。
万が一の時に自分も家族も経済的に安心して暮らせるように、目的・リスク別に生命保険に入るメリットを整理しましょう。
万が一に備えられる
自分(配偶者)が死亡した時に残された家族が経済的に困らないように、死亡保険で備える事ができます。
家族に必要な保障額を事前にシミュレーションすることで、不必要な特約を付けずに済んだり、毎月の保険料を節約することもできます。
ライフプランを立てながら商品を選んでみましょう。
急な病気に備えられる
予想外の病気・ケガ時にかかる医療費を医療保険でカバーできます。
医療保険に加入する際は、高額療養費制度や医療費控除、傷病手当金についてもよく調べましょう。
医療費控除は世帯合算することも出来ます。
手術が伴うケガや入院は公的保証では足りないことが多いため、医療保険を必要な分だけ準備すると良いでしょう。
将来に備えられる
老後の生活や子どもの教育費など将来必要なお金を貯蓄性のある保険で準備することができます。
掛け捨て型保険は「保障のみ」、貯蓄型保険は「万が一の保障+貯金」という考え方です。
注意が必要なのは、貯蓄型保険は満期または解約しない限り使うことができない点です。
ただし、毎月保険料を支払い積み立てる形で確実に貯めることができるメリットもあります。
また、生命保険料控除を活用すれば支払った保険料に対して節税の恩恵も受けられます。
生命保険で万が一の不安を解消しましょう
生命保険は、「経済的な困った」を解消してくれる金融商品です。
子どもの人数分リスクに備えたい、持病があるから医療費が心配、身内にがんになった人がいる、年金生活が不安、など保険に入る事情は人それぞれですが、不安を解消するためにどんな生命保険があるのか、各社の保険商品を見比べて自分にあう生命保険を探してみてはどうでしょうか。