iDeCoは30代がはじめ時?運用するメリットをFPがわかりやすく紹介(13827の掛金とまとめる)

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30代に突入すると結婚やマイホーム取得でお金がかかり、老後のためのiDeCo投資は今は必要ないと考える人もいるでしょう。

しかし、長く続けるほど有利なiDeCoは、30代で始めるのはよいタイミングといえます。

この記事では、iDeCoのメリットや30代で始めるのが有利な理由などを解説します。

目次

30代のiDeCo加入率は約21%

運営管理機関連絡協議会「確定拠出年⾦統計資料(2023年3月末)」によると、30代のiDeCo加入者は63万6,987人です。全iDeCo加入者のうち、22%を占めています。以下は、30代のiDeCo加入者数の推移です。

【30代iDeCo加入者数の推移】

2018年3月末18万4,993人
2019年3月末26万1,364人
2020年3月末 33万6,962人
2021年3月末43万5,519人
2022年3月末54万6,748人
2023年3月末63万6,987人

参考:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年⾦統計資料(2023年3月末)

2018年3月末に比べて2023年3月末は、30代の加入者が約3.5倍に増えていることがとわかります。

総務省の人口推計(2023年10月報)によると2023年10月1日現在の30代の人口は約1341万人です。よって、30代の約21%がiDeCoに加入していることになります。

iDeCoの3つのメリット

iDeCoには、積立時、運用時、受取時にそれぞれ税制上の優遇が受けられます。

そのため、制度を利用しない通常の貯蓄にはない、大きな節税効果を得られます。

積立時: 所得税・住民税の負担が減る

iDeCoの掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象です。所得税・住民税の負担の軽減につながります。

所得税の税率は所得に応じて高くなるため、収入の多い人ほど節税メリットが大きくなります。

たとえば、年収450万円の会社員が毎月2万円の掛金をiDeCoで積立をした場合、1年間の所得税・住民税の軽減額は約4万円です。

運用の成果は人それぞれですが、税負担の軽減は所得のある加入者誰もが得られるiDeCoの大きなメリットです。

iDeCoの掛金については、下記記事で詳しく紹介しています。

iDeCoの掛金は毎月いくらに設定すべき?掛金の平均や上限、拠出額の決め方を解説

iDeCoの掛金は毎月いくらに設定すべき?掛金の平均や上限、拠出額の決め方を解説

運用時:利息・運用益は非課税

金融商品から得られた運用益は課税されますが(源泉分離課税20.315%)、iDeCoの運用益は非課税で再投資されます。

運用益が元本に組み入れられていくため、時間が経つにつれて同じ利回りでも利益が大きくなっていきます。

受取時:所得控除の対象

iDeCoの資産は60歳以降、年金または一時金で受け取り、どちらの場合も所得控除を受けられます。

年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象になります。

→iDeCo一時金の記事が上がり次第、内部リンクでつなぐのがよいと思います。

30代からiDeCoを始めるのがおすすめの理由

なぜiDeCoを30代から始めるとよいのでしょうか。ここでは、おすすめの理由を解説します。

収入が安定してくる年代だから

30代はキャリアが固まりつつあり、新卒の頃に比べて収入が上がる人も多くなります。そのため、iDeCoの掛金も無理なく支払っていけるでしょう。

iDeCoは一度加入すると、原則として解約はできません。就職したばかりでお金のやりくりが大変な20代では、掛金の負担が大変な人もいるでしょう。

30代になれば収入が安定し、多くの人が無理なく掛金を支払っていけると考えられます。

老後の資金について考えることが増えるから

30代は20代に比べて、老後の資金を意識する機会が増えます。なぜなら、多くの人が結婚や出産のようなライフイベントを通じて、資金準備の必要性を感じるからです。

iDeCoは老後資金準備に特化した制度で、60歳まで原則として引き出しができません。

しかし、その分iDeCoの資産は使われることがなく、老後まで守られます。

家計を見直し、無理なく続けられる範囲の掛金で積立を続けると、まとまった老後資産を作れるでしょう。

節税につながるから

先述のとおり、iDeCoには3つの税制メリットがあります。

特に掛金が全額所得控除の対象になる点は、NISAにもないiDeCoの強みです。

掛金の所得控除は、所得の多い人ほど有利です。20代より収入の増えた30代の人は、税制優遇の恩恵を受けられるといえます。

【30代と40代を比較】開始年数が違うだけでどの程度差が付く?

iDeCoの積立は長く続けるほど効果があります。

30歳から30年間、毎月2万円ずつ利回り(年率)2%で積立てた場合と、同じ条件で40歳から20年間積立てた場合の運用成果を比較してみましょう。

積立開始年齢毎月の積立額元金運用益元利合計
30歳(30年)2万円(年間24万円)720万円265万5,000円985万5,000円
40歳(20年)2万円(年間24万円)480万円109万6,000円589万6,000円

試算には金融庁の「資産運用シミュレーション」を使用します。

40歳からiDeCoを始めるのに比べて30歳から始めたほうが、約400万円近く多くの資産を作れる結果となりました。

30歳から始める場合の元本は40歳から始める場合の1.5倍です。

しかし、得られる運用益は30歳から始めた場合は40歳から始めた場合の2倍以上となります。

iDeCoの運用は、得られた収益を引き出さずに元本に加え、再投資していく「複利」方式です。時間の経過とともに元本が増えて、得られる運用益も大きくなるのです。

30代であれば無理のない金額であまりリスクの高くない商品に投資したとしても、時間を味方につけてまとまった資金の準備ができます。

早く準備を始めることで値動きのある商品のリスクを抑え、長期投資の効果を期待できます。

iDeCoに向いている人・向いていない人の特徴

iDeCoは老後資金準備に特化した特徴のはっきりした制度のため、万人向きとはいえないかもしれません。

ここでは、iDeCoに向いている人と向かない人の特徴を解説します。

向いている人→老後資金準備の必要性が高い人

iDeCoでの老後資金準備が向いているのは、以下のような人です。

・勤務先に退職金制度がない人
・自営業などで老後資金準備の必要性が高い人
・20代・30代の若年層

iDeCoは公的年金に上乗せができる制度です。そのため、公的年金だけで老後の生活をまかないきれない人は、iDeCoで節税しながら資金を準備するとよいでしょう。

また、iDeCoは長期の積立による資産形成効果が期待できます。

そのため、iDeCoに長く加入できる20代・30代にはメリットのある制度です。家計を見直して無理のない掛金額でコツコツ続けていくとよいでしょう。

向いていない人→節税の恩恵を受けられない人

反対にiDeCoに向いていないのは、以下のような人です。

・専業主婦(夫)
・定年が近い人

iDeCoは掛金が全額所得控除になる点が大きなメリットであるため、専業主婦(夫)のように収入のない人には向きません。

なぜなら、収入がなくて税金を納めていない人には、税制優遇は受けられないためです。

収入のない人、あっても少ない人はNISAのような他の方法で資産形成をするほうがよいでしょう。

定年が近くて長期間の積立ができない人も、iDeCoに向いていないといえます。

iDeCoの加入には年齢制限があり、60歳から年金資産を受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要です。通算加入者等期間が10年未満の場合、受給開始年齢が繰り下げられます。

また、iDeCoは長期の積立で安定した運用成果を得る仕組みであるため、短い運用期間では元本割れのおそれもあります。

最後に|収入が増える30代が始めるチャンス!

30代は老後資金準備にはまだ早いと考える人もいるかもしれません。

しかし、収入が増えてきた30代からコツコツiDeCoの積立を始めれば、リタイアの時期の資産形成につながります。

将来、「早く始めてよかった」と感じるようになるでしょう。
→なんとなく終わりがすっきりしないので、下記内容はいかがでしょうか。長く続けるほど有利なiDeCoは、30代にはメリットのある制度です。まずは少額からでも、はじめてみましょう。

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この記事を書いた人

明治大学卒業。金融ソフトウェア開発、国内生命保険会社の法人営業を経て、独立系FPとして開業。個人や法人オーナーへのコンサル業務、セミナー講師の他、現役FPの知見を生かした執筆業務を行っている。 CFP®・DCアドバイザー・証券外務員二種/群馬FP事務所代表

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