親子リレーローンの加入条件とは?メリット・デメリットを徹底解説

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住宅ローンを組む際の選択肢として、「親子リレーローン」を検討している人もいるかもしれません。

親子リレーローンを組めば、単独では手に届かない物件を購入できる可能性が高まる一方、相続時のトラブルにつながる恐れがあります。

そのため、メリットだけを鵜呑みにして契約をしてしまうのは危険です。

そこで、今回は親子リレーローンの加入条件をはじめ、メリットとデメリットについてまとめてみました。

目次

親子リレーローンとは?

親子リレーローンとは、ひとつの住宅ローンを親子で契約し、将来的に親から子へ引き渡すといったリレー方式で返済を行う制度のことです。

金融機関によっては、「親子リレー返済」「親子リレー住宅ローン」と呼ばれることもあります。

新築購入時はもちろん、リフォームや住み替え、また借り換えなどでも利用できます。

親子リレーローンは何歳から組める?

借り入れ時の年齢は、子は満20歳以上で親は70歳未満と設けられていることが一般的です。

また、返済を引き継ぐ子は1人であり、たとえ子が複数いる場合でも必ず誰か1人に決めなければなりません。

親子リレーローンの主な審査基準

親子リレーローンの具体的な審査基準は公表されていませんが、原則として通常の住宅ローンとほぼ同じような審査項目が設けられていると考えておくとよいでしょう。

ただし、通常の住宅ローン審査では借り手の返済能力が重視される一方、親子リレーローンでは子の経済状況や返済能力が主な判断材料となります。

そのため、親はもちろん、子どももカードローンをはじめ、滞納履歴などを残さないように気をつけましょう。

親子リレーローンの加入条件

親子リレーローンの加入条件は金融機関によって異なりますが、主に以下の3つが挙げられます。

子が親と同居または同居予定である

親子リレーローンを申し込む際、親子が同居または同居予定であることが条件となります。

ただ、これは金融機関や商品によって異なり、フラット35の親子リレー返済などでは同居が要件とされていません。

申し込む前に同居が必須であるかどうか、きちんと確認するようにしましょう。

親と子それぞれに返済能力があること

原則として親子それぞれに返済能力があることが求められます。

たとえ、どちらかの年収が安定していても、もう一方が退職や転職したばかりであると、年収が安定していないとみなされてしまうケースもあるので注意が必要です。

団体信用生命保険への加入

親子リレーローンでは団体信用生命保険に子のみが加入を求められます。

団信とは債務者に万が一のことがあった際、ローンの残債がすべて保険会社に保障される保険のことです。

親子リレーローンでは主債務者である親に死亡や高度障害となる事由が生じた場合に、連帯債務者である子がローンを引き継ぐことが前提となっています。

そのため、契約時には子が団体信用生命保険に加入しなければなりません。

親子ペアローンと親子リレーローンとの違い

親子リレーローンと似ている返済方法として、親子ペアローンが挙げられます。

親子ペアローンとは、親子リレーローンと同様にひとつの住宅ローンに対して親子が同時に契約する仕組みです。

大きな違いは同時に返済していくことであり、借入額を増やしたとしても返済期間はさほど長くならない点や、親子それぞれでローンの設定ができる点が特徴です。

親子リレーローン親子ペアローン
特徴ひとつの住宅ローンを親子で契約し、将来的に親から子へ引き渡すといったリレー方式で返済を行う制度1つの住宅に対して親子それぞれが住宅ローンを契約し返済していく制度
契約形態親が主債務者、子が連帯債務者親子が互いに連帯保証人になる
返済方法親が先に返済し子が引き継ぐ親子それぞれ同時に返済
団信多くの場合、子のみ
(金融機関によって異なる)
親子それぞれが加入
住宅ローン控除親子共に適用親子共に適用

ただし、親子同時に返済するにあたり、どちらか一方が返済に行き詰まるなどのトラブルが発生するリスクも生じかねません。

そうなると親子関係が悪化するケースも珍しくなく、親子ペアローンを組む際は慎重に行うことが大切です。

一方、親子リレーローンは手続きを1つにまとめられるため、諸費用の負担は単独でローンを組む際と同等です。

契約内容が複雑になりにくく、返済がわかりやすいのが利点でしょう。

親子リレーローンを加入するメリット

親子リレーローンに加入するメリットは、主に以下の4つです。

親が高齢でもローンが組みやすい

住宅ローンは一般的に80歳までに完済することが条件となっているため、親が高齢の場合は長期ローンを組むことができません。

ただし、親子リレーローンは主に子どもの年齢で返済期間を設定するため、親が高齢の場合でもローンが組みやすいといえます。

借入金額を増やせる

親子で協力して返済をしていくため、単独で住宅ローンを組むよりも借入金額を増やせる点もメリットです。

そのため、子がまだ経済的に安定しておらず、住宅購入を支援したい親にも向いているでしょう。

月々の支払い負担を減らせる

親子リレーローンの場合、子どもの年齢を基準に返済期間が決まります。

そのため、親が単独で住宅ローンを組むよりも返済期間を長くすることができるため、結果として月々の支払い負担を軽減することが可能です。

親子それぞれが住宅ローン控除の対象になる

条件を満たせば親子それぞれが住宅ローン控除の対象となるのも利点です。

たとえば物件の持分を親子で2分の1ずつに設定した場合、親子それぞれが年末残高に2分の1をかけた額で住宅ローン控除が適用されます。

親子リレーローンに加入する際のデメリット

親子リレーローンに加入するデメリットは、主に以下の4つです。

別のローンが組めなくなることがある

親子リレーローンの連帯債務者は子となるため、たとえ親が返済期間中であっても、子も同じ返済義務を負っていることになります。

それに伴い、新たにローンを組めない恐れがあります。

そのため、将来転勤などで引っ越しをしなくてはならない場合、新たな住宅ローンは組めない可能性があるでしょう。

贈与や相続にかかるトラブルが増える恐れがある

親子リレーローンを活用して返済を行う場合、返済額は住宅の持分に応じて決定します。

そのため、万が一家の名義を子どもの名義としてしまうと、親から子に対する「みなし贈与」と判断され、贈与税が課される恐れがある点に注意が必要です。

また、購入する物件は相続財産ともなるため、相続発生時に相続人の間でトラブルが発生しないよう、きちんと全員と話し合った上でそれぞれの了解を得るようにしましょう。

特に相続人が複数いる場合には争いに発展するリスクが高まることから、他の手段で相続財産を確保しておくといった対策が必要となります。

万が一トラブルが生じそうな場合は弁護士や税理士をはじめとする専門家に早期に相談しておくとよいでしょう。

多くの場合、団信の加入は「親」のみ

多くの親子ローンの場合、「親」のみが団信に加入することができます。

団信の保障は満80歳の誕生日の属する月の末日と決まっていますので、親が80歳を超えたときは、子が新たに団信に加入する必要がありますが、親の団信加入期間、親に万が一のことが起こった場合には全額が完済となります。

ただし、逆の場合も考えられるのでよく考えて加入することが必要です。

特徴をしっかり理解したうえで親子リレーローンを利用しよう

今回の記事では、親子リレーローンの加入条件をはじめ、メリットやデメリットについてお伝えしました。

親子リレーローンを組むことで、借入金額が増えマイホームの選択肢が増えるなどのメリットがある一方、ほかの住宅ローンが組めなくなる恐れがあることや相続時のトラブルに発展するなどのリスクが伴います。

そのため、メリットばかりに注目して安易に親子リレーローンを組むことは避けた方がよいでしょう。

親子で今後のライフプランをしっかりと話し合うことはもちろん、デメリットを考慮したうえで慎重に検討することが大切です。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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